校 長 挨 拶
校長挨拶
東京科学大学
附属科学技術高等学校
校長 中 川 茂 樹
国際社会において重責を担える理工系人材の育成
本校は,明治19年(1886年)の創立を起源とし,その後の変遷を経て,昭和26年(1951年)に東京工業大学附属工業高等学校,平成17年(2005年)に東京工業大学附属科学技術高等学校,令和6年(2024年)10月1日東京工業大学と東京医科歯科大学を統合し東京科学大学を設立,東京科学大学附属科学技術高等学校と名称を変えて現在に至っており,創設130年以上もの長い歴史と伝統のある理工系の高等学校です。時代を先取りした新しい考え方に基づき設立された最先端を行く学校として,科学技術に関わる理工系人材の育成に貢献してまいりました。
近年では文部科学省から,「スーパーサイエンスハイスクール(略称:SSH)」と「スーパーグローバルハイスクール(略称:SGH)」の2つの研究開発校の指定を受けて活動を行ってきました。2つの指定を同時に受けてまいりましたことは,本校にとりまして大変名誉なことと考えています。
SSHにつきましては,文部科学省が制度を開始した平成14年度から継続して研究開発校の指定を受けている数少ない高校の一つです。科学と技術の基盤となる基礎的な力は当然としながら,次の6つの力を習得する教育を実践しています。
第1は,新しい知識やものごとを「わかる」力,
第2は,実験や実習を通して「つくる」力,
第3は,新しい概念やイメージを想像し「えがく」力,
第4は,未知の課題に挑戦する「いどむ」力,
第5は,国内外の人たちと「わかりあう」力,
第6は,知識・技能と課題とを有機的に「結びつける」力。
また,SGHにつきましては,将来、国際的に活躍できる科学技術の素養を持つグローバル・リーダーの育成を図る目的で,平成27年度から5年にわたる研究開発校の指定を受け,海外の高校などとの交流プログラムや授業カリキュラムの整備等を進めてまいりました。
このような先駆的な科学技術教育や国際性涵養のための制度を活用して構築してまいりました各種交流事業や教育プログラムの実践,授業カリキュラムの改善等により,今後ますます必要とされる「国際社会において重責を担える理工系人材」を送り出せるものと確信しております。
引き続き本校は東京科学大学との連携を積極的に取り組み,新しい試みに挑戦してまいります。長年にわたる大学の支援のもと,大学との交流を深め,高校,大学,大学院,さらには社会人教育までの一貫した教育体制の構築を目指した,日本における先駆的な取り組みを実践してまいります。
以上のように,本校では,生徒が自分自身を磨き,科学技術をしっかり修得し,さらに大学や大学院で学び,そして社会に巣立ち活躍するための基礎を築くとともに,将来グローバルに活躍するリーダーとなり,未知の課題に挑戦する力を発揮して,日本及び世界の発展に貢献できる人材となることを大いに期待しております。